ドラム式洗濯機の気になる電気代

ドラム式洗濯機の電気代

ドラム式洗濯機と縦型洗濯機の優劣論争は常にありますが、ここでは優劣論争ではなく、ドラム式洗濯機の消費電力(電気料金)について検証したいと思います。

ドラム式洗濯機の乾燥機能で使用する消費電力も気になるところです。
エアコン、電気カーペット、ドライヤーなど、熱を操作する電気機器は消費電力が高いものです。

ドラム式洗洗濯機の乾燥機能では、実際にはどれくらいの電気を使っているのでしょうか。

検証に使うドラム式洗濯機の機種

Panasonicのドラム式洗濯機で、型番は「NA-VX5E7L」。2020年の夏モデルだと思います。実はコレ、エディオンオリジナルの機種なんです。同じシリーズの最上位グレードと中堅グレードの、ちょうと中間に位置するようなグレードです。

このモデルでも40度や60度の温水洗濯が可能です。

消費電力の計測に使用する計測器

消費電力の測定には、EPLAのエコキーパー(EC-05EB)を購入しました。2000円前後だったと思います。

予め電気料金(単価)を登録しておくと、消費電力を基に電気代も計算してくれます。
ただし、電気代の単価は1つしか登録できないので、時間帯で単価が変わる場合は正確な電気代が計算できません。消費電力の計測に重点を置きます。

我が家の電気料金体系

我が家はオール電化で、関西電力の「はぴeプラン」というプランです。今は受付が終了しているプランですが、電気料金は以下の通りです。簡単にいうと「電気需要の低い時間帯を安くします」というプランです。

関西電力のHPより
関西電力のHPより

EPLAのエコキーパーは、時間帯による電気単価を設定できないので、1つの単価のみ設定することが可能です。

いちいちネットで単価を調べるのも面倒なので、エコキーパーに電気単価を直接書き込みました!

見た目はアレですが、もっとも効率の良い方法だと思っております。

洗濯コースの付加機能

この洗濯機には「洗濯のみ」「洗濯+乾燥」という機能のほか、黒カビ防止など追加で動く機能があります。これらの機能はOFFにできますが、便利機能なのでOFFにしていません。

それらの機能で使用した電気料金も含めるので、これらの機能について簡単に説明しておきます。

通常の洗濯(乾燥なし)の場合

「乾燥なし」の場合、洗濯槽のカビ発生防止のために「ナノイー槽クリーン」というイオンを発生させる工程が洗濯後に1時間動きます。トリセツの内容は以下の通りです。

■「ナノイー槽クリーン」
「洗濯終了後にドラム内に「ナノイー」を放出し黒カビの発生を抑制します。(約1時間)」

洗濯物を取り出してから、再度蓋をすれば勝手に起動します。
設定でオフにてきるのですが、黒カビが抑制できるなら・・と思い、オフにしていません。

乾燥までする洗濯の場合

「乾燥あり」の場合、「ナノイー槽クリーン」は起動しませんが、乾燥時に大風量で乾かす「ふんわりジェット乾燥」と、乾燥時のごわつきを抑える「ふんわりキープ」が発動します。各機能の内容は以下の通りです。

■「ふんわりジェット乾燥」
「後方からワイド風をたっぷり当て、大きなドラム槽の中で衣類を大きく動かしながら乾燥。
 シワを抑えて仕上げます。約4.6 ㎥/分の大風量で衣類内の水分を抜けやすくし、ヒート
 ポンプで効率的に早く乾かせます。」

■「ふんわりキープ」
「ふんわりキープは乾燥終了後、5分ごとに40秒間ドラムが繰り返し回転します。(約2時間)
 ランニングコスト 約0.5円 \27/KWh換算」

どちらも設定で動かさないようにできるのですが、工場出荷時のまま(作動する設定)にしておきます。
※「乾燥あり・省エネコース」では「ジェット乾燥」は起動しません。

洗濯コース(まとめ)

改めて、検証する洗濯コースについては以下のようになります。

①快速2Kg(乾燥なし)+「ナノイー槽クリーン」
②おまかせ(乾燥なし)+「ナノイー槽クリーン」
③おまかせ(乾燥あり)+「ふんわりジェット乾燥」+「ふんわりキープ」
④おまかせ(乾燥あり・省エネコース)+「ふんわりキープ」
⑤おまかせ(乾燥あり・水温40度)+「ふんわりジェット乾燥」+「ふんわりキープ」
⑥おまかせ(乾燥あり・水温60度)+「ふんわりジェット乾燥」+「ふんわりキープ」
⑦おまかせ(乾燥のみ)+「ふんわりジェット乾燥」+「ふんわりキープ」

これらの洗濯コースで消費電力を検証していきます。

検証

エコキーパーで消費電力量を計測します。我が家の「はぴeプラン」で複数ある電機単価のうち、日常的に使うであろう2つの時間帯の単価で計算します。平日の昼は滅多に洗濯しないので計算に入れません。

23.47円/kW …土日、朝や寝る前
10.70円/kW …深夜(23:00~07:00)

※消費電力を検証しますが、ご家庭の電気単価を調べると消費金額を計算することができます。
 例)消費電力が1.23kWで、ご家庭の電気単価が27.00円の場合、1.23×27.00=33.21円

※電気料金は目安です。エコキーパーには料金も表示されますが、少数以下の端数のせい?で、計算式と一致しません。
 ここでは、エコキーパーの料金ではなく、計算式で電気料金を算出しています。

では、実測していきます。

①快速2Kg(乾燥なし)+「ナノイー槽クリーン」

「快速2Kg」はエディオンスペシャル特有の機能らしいです。
洗濯物の量が少ないときに、少ない時間で終わらせることができるコース。

・洗濯のみ:0.04KWh 約22分
・ナノイー槽クリーン:0.04KWh 1時間
 合計:0.08KWh

リビングタイム(\23.47/kWh)だと \1.88
ナイトタイム(\10.70/kWh)だと  \0.86

洗濯物が少なければ1回の洗濯にかかる電気代が2円以下という結果になりました。

水の入ったドラムを回し、脱水時はドラムを高速回転していても、1回の洗濯は2円以下です。
深夜だと1円未満という結果になりました。

②おまかせ(乾燥なし)+「ナノイー槽クリーン」

乾燥機能を使わないなら、通常はこのコース。

・洗濯のみ:0.07KWh 約35分
・ナノイー槽クリーン:0.04KWh 1時間
 合計:0.11KWh

リビングタイム(\23.47/kWh)だと \2.58
ナイトタイム(\10.70/kWh)だと  \1.18

何回か計測してみましたが、全て似たり寄ったりの結果となりました。
通常の洗濯だと、1回3円以下で洗濯したことになります。
意外と安いなという印象です。

③おまかせ(乾燥あり)

洗濯後の乾燥もおまかせしますというコースですが、乾燥に関しては洗濯物の量に応じてバラツキがありました。3回計測した結果を書きます。

■1回目(洗濯物は満タンと比べて7割くらいの量)
・洗濯&乾燥:1.29KWh
※「ふんわりジェット乾燥」あり
※「ふんわりキープ」あり

リビングタイム(\23.47/kWh)だと \30.28
ナイトタイム(\10.70/kWh)だと  \13.80

■2回目(洗濯物は満タンと比べて9割くらいの量)
・洗濯&乾燥:1.43KWh
※「ふんわりジェット乾燥」あり
※「ふんわりキープ」あり

リビングタイム(\23.47/kWh)だと \33.56
ナイトタイム(\10.70/kWh)だと  \15.30

■3回目(洗濯物は満タンと比べて7割くらいの量)
・洗濯&乾燥:1.14KWh
※「ふんわりジェット乾燥」あり
※「ふんわりキープ」あり

リビングタイム(\23.47/kWh)だと \26.76
ナイトタイム(\10.70/kWh)だと  \12.26

洗濯物の量に影響される結果となりました。
特に2回目のときは詰め込み感があったのも確かです。

出来上がったとき、厚手のバスマットは、しっとりした上品な仕上がりとなりました。

ウソです。乾燥しきれてないだけです・・・。

厚手のもの以外は乾燥できましたが、詰め込みすぎはよくありませんね。

乾燥機能を使うときは満タンとくらべて6割くらいの量が上限だと思います。

④おまかせ(乾燥あり)省エネコース

「ふんわりジェット乾燥」を省略するコースです。3回計測してみました。

■1回目(洗濯物多め。完了後フィルター掃除通知出てた)
・洗濯&乾燥:1.74KWh
※「ふんわりジェット乾燥」なし
※「ふんわりキープ」あり

リビングタイム(\23.47/kWh)だと \40.84
ナイトタイム(\10.70/kWh)だと  \18.62

■2回目(洗濯物は満タンと比べて7割くらいの量)
・洗濯&乾燥:1.42KWh
※「ふんわりジェット乾燥」なし
※「ふんわりキープ」あり

リビングタイム(\23.47/kWh)だと \33.33
ナイトタイム(\10.70/kWh)だと  \14.02

■3回目(洗濯物は満タンと比べて7割くらいの量)
・洗濯&乾燥:1.31KWh
※「ふんわりジェット乾燥」なし
※「ふんわりキープ」あり

リビングタイム(\23.47/kWh)だと \30.75
ナイトタイム(\10.70/kWh)だと  \14.02

1回目は洗濯物を詰め込んだうえに、フィルター掃除マークが出るほどホコリがたまっていたので消費電力が多くなったと思います。

ただ、2回目、3回目はそれほど詰め込んでいないのにも関わらず、あまり省エネを体感することはありませんでした。
むしろ、省エネモードじゃない方が消費電力が少ないという結果に・・。

洗濯物の種類にもよるのか、我が家には向いていないコースとなりました。

⑤おまかせ(乾燥あり)水温40度

温水で洗濯できるというのが、この洗濯機の特徴です。「生乾き」の嫌な臭いがする衣類に効果抜群のコースですが、水の温度を40度まで上げるのに消費する電力が気になるところ。

・洗濯&乾燥:1.91KWh
※「ふんわりジェット乾燥」あり
※「ふんわりキープ」あり

リビングタイム(\23.47/kWh)だと \44.83
ナイトタイム(\10.70/kWh)だと  \20.44

季節によって水道水の温度が違うと思うのですが、計測時期は関西の2月です。
思ったほど消費電力が跳ね上がらなかった印象です。

40度コースは毎日するものではなく、「嫌な臭いするなー」と感じる衣類があれば実施すれば良いので、たまに使うコースとしては許容範囲ではないでしょうか。

これで生乾きの匂いがなくなると思えば十分許容できると思います。

⑥おまかせ(乾燥あり)水温60度

40度でも落ちない頑固なよごれ、手ごわい匂いに60度の温水コース。

・洗濯&乾燥:3.19KWh
※「ふんわりジェット乾燥」あり
※「ふんわりキープ」あり

リビングタイム(\23.47/kWh)だと \74.87
ナイトタイム(\10.70/kWh)だと  \34.13

消費電量はそれなりの結果となりました。
タオルや衣類に付いてるタグを見ると、だいたい40度上限のものが多いので、タグの指示を正直に守ると60度で洗濯できるものは意外と少ないかもしれません。

私は指示に従わず、タオルやバスマットの40度上限のものでも60度コースで洗濯しています!
主に、タオルやバスマット専用と割り切ります。

嫌な臭いが取れないものは捨てるしかないので、「捨てるくらいなら試してみよう、試してダメなら廃棄しよう」という感覚でやっています。

洗濯後に嫌な臭いが残らない、最強コースです。

⑦おまかせ(乾燥のみ)

洗濯したあとにベランダで干そうとしていたのですが、雨が降っていて風も強かったので、「乾燥のみ」をやってみました。このコースは滅多にしませんが、せっかくなので計測しています。

・洗濯乾燥:0.86KWh(2時間くらい)
※「ふんわりジェット乾燥」あり
※「ふんわりキープ」あり

リビングタイム(\23.47/kWh)だと \20.18
ナイトタイム(\10.70/kWh)だと  \9.20

乾燥には2時間くらいかかるので、思い付きで「干してるやつをすぐに着たいから乾燥させる!」という使い道は難しいかもしれません。午前中に乾燥して、午後から着るというのは可能ですね。

検証のまとめ

1つのコースで何回か計測したコースもありますが、それは平均化して、各コースの結果をまとめてみました。

消費電力の少ない順

消費電力の少ない順に並べてみました。

※カッコ内の単位はkWh
1位:【0.08】快速2Kg(乾燥なし)
2位:【0.11】おまかせ(乾燥なし)
3位:【0.86】おまかせ(乾燥のみ)
4位:【1.29】おまかせ(乾燥あり)
5位:【1.49】おまかせ(乾燥あり・省エネコース)
6位:【1.91】おまかせ(乾燥あり・水温40度)
7位:【3.19】おまかせ(乾燥あり・水温60度)

4位と5位の順番が逆じゃないの?という感じがしますが、それ以外の順位は想定通りだと思います。

「2位+3位=4位」にならないとおかしいような感じですが、洗濯物の量なども影響されるので、誤差の範囲としましょう・・。

さすがに水温60度は断トツの消費電力量です。

リビングタイム(\23.47/kWh)換算

リビングタイムの単価で、金額を算出してみました。

※カッコ内の単位は円
1位:【 1.88】快速2Kg(乾燥なし)
2位:【 2.58】おまかせ(乾燥なし)
3位:【20.18】おまかせ(乾燥のみ)
4位:【30.28】おまかせ(乾燥あり)
5位:【34.97】おまかせ(乾燥あり・省エネコース)
6位:【44.83】おまかせ(乾燥あり・水温40度)
7位:【74.87】おまかせ(乾燥あり・水温60度)

リビングタイムとは平日の朝と夕方、土日のことです。

洗濯物を屋外で干すなら「2位:【 2.58】おまかせ(乾燥なし)」の2.58円、
乾燥までするなら「4位:【30.28】おまかせ(乾燥あり)」の30.28円。

日常で使うなら、この2択かなと思います。
乾燥「あり」と「なし」で10倍以上の差がありますね。
洗濯(乾燥なし)だけなら1回3円未満という少なさも意外です。

ナイトタイム(\10.70/kWh)換算

ナイトタイムの単価で、金額を算出してみました。
予約タイマーで深夜に仕事をしてもらいます。

※カッコ内の単位は円
1位:【 0.86】快速2Kg(乾燥なし)
2位:【 1.18】おまかせ(乾燥なし)
3位:【 9.20】おまかせ(乾燥のみ)
4位:【13.80】おまかせ(乾燥あり)
5位:【15.94】おまかせ(乾燥あり・省エネコース)
6位:【20.44】おまかせ(乾燥あり・水温40度)
7位:【34.13】おまかせ(乾燥あり・水温60度)

電力単価が一番安い深夜の「ナイトタイム」。
水温40度コースと60度コースを使うならナイトタイム一択ですね。
1回20円~35円の洗濯で生乾きの嫌な臭いが取れると考えたら、すごく安く感じます。

通常の洗濯(乾燥なし)なら約1円という金額も驚きです。
徹底的に節約したいなら乾燥無しのナイトコースです。

さいごに

ドラム式洗濯機の消費電力はどう感じましたか?
意外と安い、意外と高い、などいろいろ感想あると思いますが、
常に乾燥機能を使うと電気料金の高くなるので、使い分けが大切かなと思っています。

・平日は仕事で忙しいので乾燥機能を使い、週末は外干しするので洗濯のみにする。
・黄砂や花粉がきつい季節は乾燥機能を使う。

もちろん毎日乾燥機能を使っても問題ないのですが、洗濯物の量が多いと乾ききりません。

我が家では以下の使い分けをしています。
・洗濯物が多い場合はリビングタイムに洗濯(乾燥なし)し、夜のうちに外に干す。翌日夕方に取り込む。
・洗濯物が少な目の場合はナイトタイムで動作するようにタイマー予約し、朝にできあがっている。

乾燥機能を使うと圧倒的にラクです。
生活スタイルにもよると思うので、ひとつの参考にして下さい。

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ドラム式洗濯機の気になる電気代” に対して2件のコメントがあります。

  1. ホイ より:

    機種は違いますが、昨年Panasonicのドラム式を購入した者です。
    昨今の電気代の値上がりもあり、調べていたところこちらに辿り着きました。
    比較記事は数あれど、メーカーのカタログの値を転記しただけのものや、電力会社のPR記事ばかりで、全く参考にならなかったのですが、こちらは実際にご家庭で使用されている洗濯物の量(厚手のマットあるあるですね。笑)や時間帯などで、複数回検証されていて、大変参考になりました。
    洗濯〜乾燥までの「おまかせ」か「省エネ」かでどれほどの違いがあるのか気になっており、「省エネ」で延々と4時間以上回すよりも、「おまかせ」で短時間の方がが良いのでは…?と常々思っていました。こちらの記事を拝読して、洗濯物がそこそこの時は迷わず「おまかせ」を選びたいと思います!
    良い記事をありがとうございました。

    1. gacyakentabase より:

      洗濯機に限らず製品にある「カタログ値」って実際にはどうなの?という感じですよね。
      現在は検証当時より電気の単価が上がっていので消費電力はかなり気になるところ。
      洗濯機に関しては洗濯機の省エネ機能というより、
      乾燥機能を使うか使わないかがいちばん大きいと思います。
      ただ、乾燥機能を使って洗濯物を干したり取り込むという労力を金額換算すると・・・人それぞれですね。

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